ふと自室に戻ると、見慣れぬ紙が一枚執務机に乗っていた。
心当たりのないそれに手を遣って、触れる直前に気付く。

たった一言綴られた文字。


「逢いたい」


丁寧で繊細ではあるが意志の強いその文字。
手紙とも呼べぬそれを人差し指で追って、ローレは微笑んだ。

己の脚力に物を言わせ、窓に足をかけると、そのまま飛び降りる。
地に足が着くと、居ても立ってもいられずに駆け出していた。

いつもの抜け道を通って、兵士の目を誤魔化して。
人目につく上質の上着を等閑に脱ぎ捨てた。

向かうはローレシア城裏手の丘。
そこで逢えるはずだ。


彼は、笑っているだろうか。
待たせて怒っているかもしれない。
それとも、照れているのだろうか。


たった一言の手紙。
手紙とも言えない綴られた言葉。


「逢いたい」


それは彼が精一杯込めた想いなのだと知っている。


丘を駆け上がると、綺麗な金の髪が青空にさらさらと揺れていた。

息を切らして駆け寄ってくるローレを見て、彼は言う。
笑って、怒って、照れて。そんな顔で彼は最愛の友に言うのだ。


「遅っせーよ」


決まりきった彼の台詞にローレは苦笑して。
それでも次の瞬間には、力一杯に彼を抱きしめる。

それに腕を回して答えてくれることに、心から幸せを思った。





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ED後、密会してればいいよ、とか思った妄想文。
部屋で待っていれば良いものを、
わざわざ置手紙残していくサマの行動が意味不明ですね☆







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